「うちのような古い家を、買う人はいるのでしょうか」。房総で売却のご相談をお受けするとき、最初にいただく質問はたいていこれです。相場や手順の説明よりも先に、そもそも買い手がいるのかどうかを知りたい、というお気持ちだと思います。
この記事では、当社が実際にお預かりして成約に至った3件について、買主がどんな方で、何を見て決めたのかを、現場で立ち会った内容のままご紹介します。売り出してから決まるまでの期間は、1か月のものもあれば半年かかったものもありました。3件を並べると、房総で買い手がつく物件に共通していることと、売り出す前に知っておいたほうがよいことが見えてきます。
実際に売れた3件|買主はどんな方だったか
いずれも当社が仲介し、成約したものです。価格と期間は実際のものを記載しています。
① 館山市腰越/1,200万円/売り出しから5か月
買主は、もともと同じ館山市内にお住まいの方でした。移住や別荘目的ではありません。今の住まいが大通り沿いにあり、車の音が気になるということで、住み替えを決められたご家族です。
ご夫婦とご両親の4人でお住まいになるとのことで、庭があることを喜んでおられました。同居のお母様は冷房があまりお好きではないそうで、風通しがよいことを評価されていたのが印象に残っています。
建物は築35年でしたが、売主様が以前に水回りをリフォームされていたため、内見時の印象がよいものでした。水回りが新しいと、建物全体が実際の築年数より綺麗に見えます。
一方で、この物件は住宅ローンが通らない物件でした。買主の資金計画を組み立てる部分で、いちばん苦労した案件です。決まるまでに5か月かかった理由の大きな部分は、ここにあります。ローンの扱いについては後述します。
② 南房総市白浜/1,320万円/売り出しから半年
買主は都内にお住まいの方で、別荘としてご購入されました。
ご案内のとき、お子さんたちがはしゃいで「ここは私の場所」と部屋を決め合っていたのが印象的でした。ご家族で購入した後の暮らしを話し合っている状態で、その時点でほぼ気持ちは決まっていたのだと思います。
ご主人はご購入後にリフォームを入れられました。その工事の立ち会いにも伺いましたが、かなりこだわった内容をご依頼されていて、ご本人がいちばん楽しそうにされていたのが印象に残っています。買主が自分で直すことを前提にしている場合があり、そのときは建物の古さがそのまま減点にはなりません。
③ 南房総市白浜/1,480万円/売り出しから1か月
3件のなかで、いちばん早く決まった物件です。買主は目の前が海である土地を探しておられたご夫婦で、会社をされていて、週末に房総で過ごしたいというご希望でした。
敷地には古い建物が建っていましたが、解体を前提とした建物として売却しています。売主様が解体費用を負担することなく、そのままの状態で引き渡しています。
土地は30坪で、南房総市としてはやや狭い部類です。それでも1か月で決まりました。「ここで波の音を聞きながら過ごしたい」と、購入後の生活の話をされていたのが印象に残っています。ご成約後、一緒に周辺を歩いてご案内したところ、「ゆっくり過ごせる場所が見つかってよかった」とお礼をいただきました。
3件に共通していたこと
買主は移住者だけではありません
房総の不動産というと、都市部からの移住者や別荘需要の話になりがちです。実際、②と③はそれにあたります。しかし①は同じ館山市内にお住まいの方の住み替えでした。
地元にお住まいの方が、騒音・広さ・親との同居といった理由で住み替えるという需要は、確かに存在します。「移住者向けの見せ方でないと売れない」と考える必要はありません。
価格帯は3件とも1,200万〜1,500万円に収まりました
1,200万円・1,320万円・1,480万円と、3件とも同じ帯に入っています。この帯は当社が別の案件でご案内をしていたときにも、実際に動いている層として繰り返し出てきました。房総で住まいを探している方の多くは、この価格帯を見ています。
建物の新しさよりも、水回りが新しいかどうか
①は築35年でしたが、水回りが新しかったことで内見時の印象がよくなりました。これは①に限った話ではありません。当社が買い取ってリフォームし再販した物件でも、浴室とキッチンを新しくしたものは反応が明確に違いました。逆に水回りが古いままだと、ご案内の途中で必ず「ここをどうするか」という話になり、その話が出た方は購入に消極的になっていきます。
ただし、これは「売る前にリフォームしてください」という意味ではありません。費用をかけて直しても、その分が売却価格に上乗せできるとは限らないためです。すでに直してある場合は、それをきちんと伝えることが有効だ、という話としてお読みください。詳しくは築43年の家を買い取って再販した事例でも触れています。
決め手になっていたのは「暮らす場面が想像できたか」
3件を振り返ると、買主が話していたのはいずれも購入後の生活のことでした。庭があること、風が通ること、子どもの部屋の割り振り、波の音。図面上の条件や築年数を比較して決めた、という話ではありませんでした。
売り出す側としてできることは、その物件で何ができるかが伝わる状態にしておくことです。草が伸びて庭が見えない、雨戸が閉まっていて風の通りが分からない、といった状態だと、想像してもらう手前で終わってしまいます。
古い建物は、解体しないまま売れています
③では、古い建物が建ったまま、解体を前提とした建物として売却しました。売主様は解体費用を負担していません。
当社では館山市で、解体を検討していた空き家がそのまま売れた事例もお預かりしています。解体費用を先に負担するかどうかは大きな判断です。解体を決める前に、現況のままで売れるかどうかを一度確認されることをおすすめします。判断の材料は古家付き土地の売却は解体すべきかにまとめています。
売り出す前に知っておきたいこと|住宅ローンが使えない場合があります
①でいちばん苦労したのが、この点です。
物件によっては、買主が住宅ローンを使えないことがあります。理由は物件ごとに異なり、建物の状況、敷地と道路の関係、登記の状態など複数の要因があります。金融機関の判断ですので、あらかじめ「必ずこうなる」と言えるものではありません。
売主側から見ると、これは買い手の数が絞られるということを意味します。現金でご購入いただける方や、住宅ローン以外の資金をご用意できる方に限られてくるため、決まるまでに時間がかかりやすくなります。①で5か月かかったのは、そのためです。
また、別荘としてのご購入では、一般に住宅ローンをそのまま使うことはできません。ご自身が住む住まいを対象とした商品であるためで、別荘やセカンドハウスの場合は別の商品を検討することになります。房総では別荘としての購入相談が一定数あり、この点でご案内が止まることがあります。
売り出す前に、ご自身の物件で住宅ローンが使えるのかどうかを確認しておくと、価格の付け方も売り出し方も変わります。査定の際にあわせてお調べできますので、遠慮なくお申し付けください。再建築の可否が関わる場合は再建築不可物件の売却もあわせてご確認ください。
売れるまでの期間には幅があります
今回の3件は、1か月・5か月・半年でした。同じ房総で、同じ価格帯でも、これだけ差が出ます。
| 物件 | 価格 | 売り出しから成約まで | 期間を左右した要因 |
|---|---|---|---|
| 館山市腰越 | 1,200万円 | 5か月 | 住宅ローンが使えず、買主が限られた |
| 南房総市白浜 | 1,320万円 | 半年 | 別荘としての購入層を待つ形になった |
| 南房総市白浜 | 1,480万円 | 1か月 | 海が目の前という条件がはっきりしていた |
短く決まった③は、「海の見える土地が欲しい」という探し方をしている方に、条件がそのまま合致したケースです。特徴のある物件は、その特徴を必要としている方に届くかどうかで期間が決まります。逆にいえば、広く浅く売り出すよりも、その物件を必要とする方に向けて売り出すほうが早いということでもあります。
時期を優先されたい場合には、仲介ではなく買取という方法もあります。買取価格は仲介で売れた場合より低くなるのが原則ですが、時期をご自身で決められます。違いは買取と仲介の違いでご確認いただけます。
売主として、売り出す前にしておくとよいこと
- 住宅ローンが使える物件かどうかを確認する。買い手の範囲と、決まるまでの期間が変わります
- 解体を決める前に、現況のままで売れるか確認する。解体費用を負担せずに売れている例があります
- 水回りを直してあるなら、それを伝える。築年数の印象を大きく変えます。直していない場合に、売却のために直す必要はありません
- 庭や風の通りが分かる状態にしておく。草を刈り、雨戸を開けておくだけでも、買主が暮らしを想像できるようになります
- その物件の特徴を言葉にしておく。海が近い、庭が広い、倉庫がある。その特徴を必要とする方に届けば、期間は短くなります
まとめ
房総で実際に売れた3件を振り返ると、買主は移住者に限らず、地元の住み替えの方も含まれていました。価格帯は1,200万〜1,500万円に集中し、決め手になっていたのは建物の新しさではなく、そこで暮らす場面が想像できるかどうかでした。
一方で、売り出す前に確認しておいたほうがよいこともあります。とくに住宅ローンが使えるかどうかは、買い手の数と期間に直結します。また、古い建物は解体しないまま売れている例が複数あります。
「うちのような家に買い手はつくのか」という段階でも構いません。館山店(千葉県館山市国分911-1/0470-29-7483/平日9:00〜18:00)でご相談を承っています。
よくある質問
築35年でも売れますか
売れています。今回の①がまさに築35年で、1,200万円で成約しました。築年数そのものより、内見時の印象と、その物件を必要とする買主に届くかどうかが影響します。
買っているのはどんな方が多いですか
今回の3件では、地元にお住まいの住み替えの方が1件、都内からの別荘利用が2件でした。移住者だけではありません。
売れるまでどのくらいかかりますか
今回の3件では1か月から半年でした。物件の条件と、住宅ローンが使えるかどうかで幅が出ます。期間を優先される場合は買取という選択肢もあります。
住宅ローンが使えない物件かどうかは、どうすれば分かりますか
査定の際にあわせてお調べします。物件の状況や敷地と道路の関係などから判断する必要があり、ご所有者ご自身で確認するのは難しい部分です。
売る前にリフォームしたほうがいいですか
売却のためにリフォームすることは、基本的におすすめしていません。かけた費用がそのまま価格に反映されるとは限らないためです。すでに直してある場合に、それをきちんと伝えることは有効です。
古い建物が建っていますが、解体してから売るべきですか
解体を決める前に一度ご相談ください。今回の③では、解体を前提とした建物として、売主様が解体費用を負担せずに引き渡しています。
対応しているのは館山市・南房総市だけですか
いいえ。館山市・南房総市のほか、木更津市・袖ケ浦市・君津市・富津市・鋸南町・鴨川市を含む房総エリアに対応しています。
査定にお金はかかりますか
かかりません。査定・ご相談はいずれも無料です。Webからのご依頼は最短45秒で入力が終わります。
状況別に読んでおきたい関連情報
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- 房総の別荘を売却するには(別荘をお持ちの場合)
- 買取と仲介の違い(時期を優先したい場合)
- 再建築不可物件は売却できる(再建築の可否が気になる場合)
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